大腸カメラ

大腸の内部の病気や異常を発見し診断するために、肛門から大腸カメラ(内視鏡)を挿入し、大腸や小腸の一部の観察や処置を行います。検査中に異常が見つかった場合、組織を採取し調べることができます(病理組織学的検査)。当院では10mmまでの小さなポリープであれば、検査当日にポリープを摘出する治療(内視鏡的ポリペクトミー)が可能です。

当院の大腸カメラの特長

女性専門医による
鎮静剤を使った
苦痛の少ない大腸カメラ

当院の院長は女性で、消化器病学会専門医、消化器内視鏡学会専門医です。
大学病院では大腸・小腸グループの一員として診療・研究を行ってきました。専門医としての知識を生かしながら、苦痛の少ない質の高い内視鏡検査をおこなっています。大腸カメラに抵抗のある女性患者様も、お気軽にご相談ください。

また、胃カメラと同様、患者様のご希望により鎮静剤を使用して大腸カメラをうけていただくことができます。
お腹の手術を受けたことがある方や、小柄な方、肥満のある方などは検査中に痛みや不快感を自覚されることがありますが、鎮静剤を使用することでウトウトと眠ったような状態で検査を受けていただくことができます。
大腸カメラを受けることに不安感のある患者様や以前に痛い経験をされた患者様もぜひ一度ご相談ください。

鎮静剤を使用した検査は
このような方におすすめ

  • 初めて内視鏡検査をうけるので不安
  • 前回とても苦しかったのでできれば受けたくない
  • 腹部の手術を受けたことのある方(手術の後の癒着により、大腸カメラの挿入に苦痛を伴うことがあります)

日帰り大腸ポリープ切除

大腸カメラを受けてポリープが見つかった際、同日にポリープ切除が可能です。
当院ではオリンパス社の高倍率光学ズームのついたスコープを使用していますので、ポリープの表面を詳しく観察することができ、それにより適切にポリープの切除の是非について判断することができます。大きいポリープや癌が疑われるようなポリープに関しては専門施設での治療が安全だと考えますので、速やかに協力医療機関に紹介させていただきます。

また、当院ではコールドスネアポリペクトミーという方法でポリープを切除します。従来の高周波の熱を使ってポリープを焼き切る方法よりも、出血や穿孔のリスクは低いと報告されている方法です。

最新の大腸内視鏡システム

当院ではオリンパス社の最新の内視鏡システム EVIS CV-1500を使用して大腸カメラ検査を行っています。使用するスコープはオリンパスCF-HQ290I(径13.2㎜)で、カメラの先端には2段階のオートフォーカス機能が搭載され、ポリープの表面を細かく精密に観察し、良性・悪性の診断を正確に行うことができます。

検査中の大腸カメラの形状を
3次元表示するシステムを導入

また、UPDという磁気を利用したカメラのシステムを導入しています。UPDにより内視鏡の挿入形状を3次元表示することが可能です。これまで挿入困難の患者様は大きな病院で改めて検査を受けていただき、レントゲン撮影を行いながら挿入形状を確認し検査を進めることが通常でした。しかしこれでは放射線被爆および改めて検査を受けていただくというデメリットがあります。当院ではUPDを採用することで、挿入困難の患者様でも放射線被爆することなくスムーズに検査を進めることが可能です。

CO2(二酸化炭素)送気による
苦痛の少ない検査

従来の大腸カメラの際には空気を入れながらカメラを進めていましたが、このためお腹は膨張し検査中のお腹の痛みの原因となっていました。また、膨張した腸は挿入困難の原因となることもありました。

当院では患者様の苦痛を軽減するため、吸収されやすく、腸管の過膨張を起こしにくいCO2(二酸化炭素)を使用しています。CO2を使用することで、お腹の張りを感じることが軽減され、苦痛を少なく検査を受けていただくことができます。

大腸がんについて

日本で1年間で新たにがんと発見された患者様の人数(罹患数)は
男性では第1位:前立腺がん 第2位:大腸がん
女性では第1位:乳がん 第2位:大腸がん

がんで亡くなった方の人数(死亡数)は
男性では第1位:肺がん 第2位:大腸がん
女性では 第1位:大腸がん 第2位:肺がんとなっています。

死亡率が高い日本の大腸がん

日本での大腸がん死亡数は年々増加傾向にあり、
人口が日本の約2.6倍であるアメリカでの大腸がん死亡数とほぼ同程度となっています。

日  本:51,788人(2020年)
アメリカ:53,200人(2020年)

つまり、日本の方が大腸がんの死亡率は約2.6倍高いことになります。
大腸がんは早期の段階で治療を行えば高い確率で治すことができます。
早期に発見するために、定期的に検診を受けることをおすすめします。

このような方に
大腸カメラをおすすめします

  • 検診で便潜血陽性を指摘された
  • 便秘がひどい、下痢が続く
  • 便に血が混ざる
  • 便が細くなった
  • 腹痛や腹部の違和感が続く
  • 体重が減った
  • 採血で貧血を指摘された
  • 以前に大腸がんの治療をしたことがある
  • 大腸ポリープの切除をしたことがある
  • など

大腸カメラでわかる疾患

  • 大腸がん(早期癌・進行がん)
  • 大腸ポリープ
  • 大腸憩室症
  • 虚血性腸炎
  • 潰瘍性大腸炎
  • クローン病
  • 感染性腸炎
  • 内痔核
  • など